防犯カメラ・監視カメラ用PoEスイッチの選び方|台数・給電容量・録画環境を解説

防犯カメラ・監視カメラ用PoEスイッチの選び方

防犯カメラ・監視カメラ用PoEスイッチの選び方

防犯カメラや監視カメラを設置する際、カメラ本体とあわせて確認しておきたいのがPoEスイッチです。PoE対応のネットワークカメラであれば、LANケーブル1本でデータ通信と電力供給をまとめられるため、電源工事を抑えながらカメラを設置しやすくなります。

ただし、防犯カメラ用のPoEスイッチは、単に「カメラ台数分のポートがある」だけで選ぶと、あとから給電容量が不足したり、録画機器や上位ネットワークとの接続に余裕がなくなったりする場合があります。

この記事では、防犯カメラ・監視カメラ用途でPoEスイッチを選ぶときに確認したいポイントを、カメラ台数、給電容量、ポート数、録画環境、将来の増設性に分けて解説します。

この記事でわかること

  • 防犯カメラにPoEスイッチが便利な理由
  • カメラ台数・ポート数・給電容量の考え方
  • PoE/PoE+/PoE++を確認すべきケース
  • NVR・NAS・録画サーバーとの接続で注意したいポイント
  • 防犯カメラ用PoEスイッチ選びでよくある疑問

防犯カメラにはPoEスイッチが便利

防犯カメラや監視カメラは、出入口、受付、バックヤード、倉庫、駐車場、通路など、電源コンセントから離れた場所に設置することがあります。

PoE対応カメラとPoEスイッチを組み合わせれば、LANケーブル1本で通信と電力供給をまとめられるため、カメラごとに電源アダプターやコンセントを用意する必要が少なくなります。

特に複数台のカメラをまとめて設置する場合は、PoEスイッチ側で給電を集約できるため、配線管理や増設もしやすくなります。

PoEスイッチを使うメリット 内容
配線をまとめやすい LANケーブル1本で通信と電力供給をまとめられる
設置場所の自由度が上がる 天井、壁面、出入口付近など、電源が取りにくい場所にも設置しやすい
複数台を管理しやすい 複数のカメラをPoEスイッチに集約できる
増設しやすい ポート数と給電容量に余裕があれば、後からカメラを追加しやすい

防犯カメラ用PoEスイッチ選びで確認したいポイント

防犯カメラ用のPoEスイッチを選ぶときは、まず次の5点を確認しましょう。

確認ポイント 見るべき内容
カメラ台数 現在接続する台数と、将来増設する可能性がある台数
PoE規格 カメラがPoE、PoE+、PoE++のどれを必要とするか
給電容量 カメラ全台に安定して電力供給できるか
接続先 NVR、NAS、録画サーバー、ルーター、上位スイッチとの接続
管理機能 VLAN、ポート管理、PoE給電状態の確認が必要か

1. カメラ台数

まず確認したいのは、接続する防犯カメラの台数です。

たとえばカメラを4台設置する場合、4ポートのPoEスイッチではなく、録画機器や上位ネットワークとの接続も考えて、5ポート以上のスイッチを検討する必要があります。

また、防犯カメラは運用後に追加されやすい機器です。出入口、駐車場、バックヤード、倉庫、通路など、あとから死角を減らしたいケースもあるため、最初からポート数に余裕を持たせておくと安心です。

2. カメラが必要とするPoE規格

防犯カメラには、PoEで動作するもの、PoE+が必要なもの、より大きな電力を必要とするものがあります。

一般的な固定カメラであればPoEまたはPoE+で足りる場合がありますが、PTZカメラ、赤外線LED搭載カメラ、屋外用カメラ、高機能カメラでは、より大きな電力が必要になる場合があります。

カメラの種類 確認したいポイント
固定カメラ 最大消費電力、赤外線LEDの有無
屋外用カメラ 夜間撮影、ヒーター、赤外線LEDなどの有無
PTZカメラ パン・チルト・ズーム動作時の最大消費電力
高機能カメラ 高解像度、AI解析、音声、照明などの機能

3. スイッチ全体の給電容量

PoEスイッチには、1ポートあたりの給電上限だけでなく、スイッチ全体で供給できる給電容量があります。

1台のカメラは問題なく動作しても、複数台のカメラをまとめて接続すると、スイッチ全体の給電容量が不足する場合があります。

ポイント

PoEスイッチを選ぶときは、「1ポートあたり何Wまで給電できるか」と「スイッチ全体で何Wまで給電できるか」の両方を確認しましょう。

給電容量はカメラの消費電力と台数で考える

給電容量を考えるときは、カメラ1台あたりの最大消費電力と、接続する台数をもとに計算します。

たとえば、1台あたり最大10Wのカメラを8台接続する場合、単純計算では80Wが必要です。実際には起動時の消費電力や将来の増設も考えて、少し余裕を持った給電容量を選ぶと安心です。

カメラ台数 確認ポイント
1〜2台 カメラが必要とするPoE規格を満たすか
3〜4台 合計消費電力とスイッチ全体の給電容量に余裕があるか
5〜8台 8ポート以上、かつ給電容量に余裕があるモデルを検討
9台以上 16ポート以上、または複数スイッチ構成を検討
将来増設予定あり 現在の台数ぴったりではなく、ポート数・給電容量に余裕を持たせる

特に夜間に赤外線LEDを使用するカメラや、首振り機能を備えたPTZカメラでは、通常時より消費電力が大きくなる場合があります。仕様書に記載されている最大消費電力を基準に選定しましょう。

ポート数はカメラ台数だけで決めない

防犯カメラ用PoEスイッチでは、カメラを接続するPoEポートだけでなく、NVR、NAS、録画サーバー、ルーター、上位スイッチなどへ接続するポートも必要です。

たとえば8台のカメラに8ポートのPoEスイッチを選ぶと、カメラは接続できても、録画機器や上位ネットワークへ接続するポートが不足する可能性があります。

接続する機器 確認ポイント
防犯カメラ 接続台数分のPoEポートがあるか
NVR・NAS・録画サーバー 録画データを保存する機器への接続ポートがあるか
ルーター・ファイアウォール 上位ネットワークへ接続できるか
管理用PC 設定・保守用の接続を想定するか
将来追加するカメラ 増設分の空きポートを確保できるか

ポイント

ポート数は「カメラ台数」だけでなく、「カメラ台数+録画機器+上位接続+将来増設」で考えることが大切です。

録画機器・上位ネットワークとの接続も確認する

防犯カメラの映像は、NVR、NAS、録画サーバーなどに保存することがあります。そのため、PoEスイッチはカメラだけでなく、録画機器との接続も含めて選ぶ必要があります。

小規模な店舗やオフィスであればギガビットのPoEスイッチで十分なケースもありますが、高解像度カメラを複数台接続する場合や、録画データをNASやサーバーへ集約する場合は、上位ネットワーク側の帯域にも注意が必要です。

構成 確認ポイント
カメラ数台+NVR カメラ用PoEポートとNVR接続用ポートを確保する
カメラ複数台+NAS 録画データを集約するNAS側の通信帯域も確認する
複数フロア・複数拠点 上位スイッチやルーターとの接続構成を整理する
高解像度カメラが多い環境 カメラ台数と録画ビットレートに応じて、上位接続の余裕を確認する

管理機能が必要になるケース

防犯カメラの台数が少なく、単純に接続するだけであれば、設定不要のアンマネージスイッチでも構成できます。

一方で、カメラ台数が多い環境や、社内ネットワークとカメラネットワークを分けたい環境では、スマートスイッチやマネージスイッチの管理機能が役立ちます。

管理機能 向いているケース
VLAN 業務用ネットワークとカメラネットワークを分けたい場合
ポート管理 どのポートにどのカメラが接続されているか確認したい場合
PoE給電状態の確認 給電トラブルやカメラ停止時に原因を切り分けたい場合
QoS 映像通信など、特定の通信を優先したい場合

防犯カメラは一度設置すると長期間運用する機器です。導入時の台数が少なくても、将来の増設や管理のしやすさを考えて、管理機能付きスイッチを選ぶのも有効です。

用途別|防犯カメラにおすすめのPoEスイッチ構成

小規模店舗・事務所でカメラを1〜4台設置する場合

小規模な店舗や事務所で、出入口、受付、レジ周り、バックヤードなどに数台のカメラを設置する場合は、5ポート前後のPoEスイッチから検討できます。

ただし、カメラ台数ぴったりではなく、録画機器や上位ネットワークへの接続も含めて、空きポートを確保しておくことが大切です。

  • カメラ台数を確認する
  • カメラの最大消費電力を確認する
  • NVRや上位ネットワークへの接続ポートを確保する
  • 将来カメラを追加する予定があるか確認する

店舗・倉庫・オフィスでカメラを5〜8台設置する場合

カメラを5〜8台程度設置する場合は、8ポート以上のPoEスイッチを検討します。

この規模になると、ポート数だけでなく、スイッチ全体の給電容量が重要になります。カメラの最大消費電力を合計し、給電容量に余裕があるか確認しましょう。

構成 選び方
カメラ1〜4台 5ポート前後のPoEスイッチから検討
カメラ5〜8台 8ポート以上、かつ給電容量に余裕があるモデルを検討
カメラ9〜16台 16ポートPoEスイッチを検討
カメラ17台以上 24ポート以上、または複数スイッチ構成を検討
カメラ+WiFi AP PoE機器全体の消費電力とポート数を確認

屋外カメラを設置する場合

屋外に防犯カメラを設置する場合でも、PoEスイッチ本体は屋内やネットワークラック内に設置するのが基本です。

屋外配線では、屋外対応LANケーブル、配管、雷サージ対策、ケーブル長などを確認する必要があります。

確認ポイント 内容
設置場所 PoEスイッチ本体を屋内やラック内に設置できるか
配線経路 屋外対応ケーブルや配管が必要か
ケーブル長 LANケーブルの距離が長くなりすぎないか
電源保護 雷サージや電源まわりの保護が必要か
消費電力 夜間撮影や赤外線LED使用時の最大消費電力を確認する

NETGEAR Storeで確認したい主な候補

防犯カメラ向けにPoEスイッチを選ぶ場合は、カメラ台数、必要なPoE規格、給電容量、管理機能の有無に応じて、以下のような製品を確認すると選びやすくなります。

製品・カテゴリ 確認ポイント 向いている用途
GS305P PoE+対応、5ポートクラスの小型PoEスイッチ カメラ数台の小規模構成
GS308P / GS308PP 8ポートクラスのPoE対応スイッチ 店舗・事務所で複数台のカメラを接続したい場合
GS316P / GS316PP 16ポートクラスのPoEスイッチ 中規模オフィス、倉庫、施設内監視
GS524UP 24ポートクラス、高給電PoEに対応 多台数カメラ、高給電機器、将来拡張を見込む構成
PoE対応スイッチ一覧 ポート数、給電容量、管理機能を比較 用途に合わせてPoEスイッチを選びたい場合

防犯カメラ用PoEスイッチのよくある質問

防犯カメラの台数分だけPoEポートがあれば足りますか?

カメラだけを接続する場合は足りることもありますが、NVR、NAS、録画サーバー、ルーター、上位スイッチなどへ接続するポートも必要になる場合があります。

たとえば防犯カメラを8台設置する場合でも、8ポートのPoEスイッチでは録画機器や上位ネットワークへ接続するポートが不足する可能性があります。ポート数は、カメラ台数だけでなく、録画機器や将来増設分も含めて考えるのがおすすめです。

PoE+対応スイッチなら、どの防犯カメラでも使えますか?

多くの防犯カメラではPoEまたはPoE+で対応できる場合がありますが、すべてのカメラで使えるとは限りません。

PTZカメラ、赤外線LED搭載カメラ、屋外用カメラ、高機能カメラなどでは、消費電力が大きくなる場合があります。カメラの仕様書で、必要なPoE規格と最大消費電力を確認しましょう。

8台のカメラを接続するなら、8ポートPoEスイッチでよいですか?

カメラ8台だけを接続するなら足りる場合もありますが、録画機器や上位ネットワークへの接続を考えると、余裕がない構成になりやすいです。

NVRやNAS、ルーター、上位スイッチとの接続も必要になる場合は、16ポートクラスのPoEスイッチや、アップリンク用ポートに余裕のあるモデルを検討すると安心です。

防犯カメラ用ネットワークは社内LANと分けた方がよいですか?

カメラ台数が少ない小規模構成であれば、同じネットワーク内で運用するケースもあります。

一方で、カメラ台数が多い場合や、セキュリティ・運用管理を重視する場合は、VLANなどでカメラネットワークを分ける構成が有効です。その場合は、VLANに対応したスマートスイッチやマネージスイッチを検討しましょう。

屋外カメラにもPoEスイッチは使えますか?

屋外カメラへの給電にPoEスイッチを使うことはできます。

ただし、PoEスイッチ本体は屋内やネットワークラック内に設置するのが基本です。屋外配線では、屋外対応LANケーブル、配管、雷サージ対策、ケーブル長などもあわせて確認しましょう。

まとめ|防犯カメラ用PoEスイッチは「台数」と「給電容量」で選ぶ

防犯カメラ・監視カメラ用のPoEスイッチを選ぶときは、以下のポイントを確認しましょう。

確認ポイント 内容
カメラ台数 現在の台数だけでなく、将来増設分も考える
PoE規格 カメラがPoE、PoE+、PoE++のどれを必要とするか確認する
給電容量 カメラ全台の最大消費電力を安定して供給できるか確認する
接続先 NVR、NAS、録画サーバー、ルーター、上位スイッチとの接続も考える
管理機能 VLANやPoE給電状態の確認が必要か検討する

小規模なカメラ設置であれば、設定不要で使えるPoEスイッチから検討できます。一方で、カメラ台数が多い環境や、カメラネットワークを分離したい環境では、管理機能を備えたスイッチを選ぶことで、運用やトラブル対応がしやすくなります。

防犯カメラを安定して運用するには、カメラ本体だけでなく、給電するPoEスイッチと録画環境まで含めて確認することが大切です。