WiFiアクセスポイント用PoEスイッチの選び方|PoE+・PoE++・マルチギガの確認ポイント
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WiFiアクセスポイント用PoEスイッチ選びで確認すべきポイント
WiFiアクセスポイントを天井や壁面に設置する場合、電源コンセントの位置が課題になることがあります。PoEスイッチを使えば、LANケーブル1本でデータ通信と電力供給をまとめられるため、アクセスポイントの設置や配線をシンプルにできます。
ただし、WiFiアクセスポイント用のPoEスイッチは、単に「PoE対応」と書かれているものを選べばよいわけではありません。アクセスポイントが必要とするPoE規格、スイッチ全体の給電容量、さらにWiFi 6EやWiFi 7を活かすためのマルチギガ対応も確認しておく必要があります。
この記事でわかること
- WiFiアクセスポイントにPoEスイッチが便利な理由
- PoE+・PoE++の違いと確認ポイント
- WiFi 6E/WiFi 7でマルチギガ対応を確認すべき理由
- アクセスポイントの台数・用途別のPoEスイッチ選び
- PoEスイッチ選定で失敗しやすいポイント
WiFiアクセスポイントにはPoEスイッチが便利
オフィス、店舗、倉庫、学校、宿泊施設などで安定したWiFi環境を整える場合、WiFiルーター1台だけでなく、複数のアクセスポイントを設置するケースがあります。
アクセスポイントは、電波を届けやすい天井や壁面に設置することが多く、近くに電源コンセントがない場合もあります。そこで便利なのが、LANケーブル1本で通信と電力供給をまとめられるPoEスイッチです。
PoEスイッチを使えば、アクセスポイント用の電源アダプターやコンセント工事を減らしやすく、配線もすっきりまとめられます。特に複数のアクセスポイントを設置する場合は、PoEスイッチ側で給電をまとめられるため、設置や管理がしやすくなります。
WiFi AP用PoEスイッチ選びで確認したい3つのポイント
WiFiアクセスポイント用のPoEスイッチを選ぶときは、まず次の3点を確認しましょう。
| 確認ポイント | 見るべき内容 |
|---|---|
| PoE規格 | アクセスポイントがPoE、PoE+、PoE++のどれを必要とするか |
| 給電容量 | アクセスポイントの台数分を安定して給電できるか |
| 有線側の速度 | アクセスポイントのLANポート速度を活かせるか |
1. アクセスポイントが必要とするPoE規格
PoEには、主にPoE、PoE+、PoE++といった規格があります。一般的なアクセスポイントではPoEまたはPoE+で動作するものもありますが、高性能なWiFi 6E/WiFi 7アクセスポイントでは、より大きな電力が必要になる場合があります。
まずは、設置予定のアクセスポイントが必要とする電源方式を確認しましょう。PoE+で足りるのか、PoE++が必要なのかによって、選ぶべきスイッチが変わります。
2. スイッチ全体の給電容量
PoEスイッチには、1ポートあたりの給電上限だけでなく、スイッチ全体で供給できる給電容量があります。
アクセスポイントを1台だけ接続する場合は問題なくても、複数台のアクセスポイントをまとめて接続すると、スイッチ全体の給電容量が不足する場合があります。
| AP台数 | 確認ポイント |
|---|---|
| 1台 | APが必要とするPoE規格を満たすか |
| 2〜3台 | 合計消費電力に余裕があるか |
| 4台以上 | 8ポート以上、かつ給電容量に余裕があるか |
| 将来増設予定あり | 現在の台数ぴったりではなく、ポート数・給電容量に余裕を持たせる |
3. 有線側の通信速度
WiFi 6、WiFi 6E、WiFi 7対応アクセスポイントでは、無線側の速度だけでなく、有線LAN側の速度も重要です。
アクセスポイント本体が2.5Gポートに対応していても、接続先のスイッチが1Gまでの場合、有線側がボトルネックになることがあります。
複数人が同時接続するオフィスや、Web会議、クラウドストレージ、業務アプリ、NASなどを多用する環境では、2.5G以上のマルチギガ対応スイッチを検討するとよいでしょう。
ポイント
WiFiアクセスポイント用のPoEスイッチは、「給電できるか」だけでなく、「アクセスポイントの有線ポート速度を活かせるか」も確認することが大切です。
PoE+で足りるケース、PoE++を検討したいケース
WiFiアクセスポイント用PoEスイッチを選ぶ際は、まずアクセスポイントの仕様に合わせてPoE規格を確認します。
| 選び方 | 向いているケース |
|---|---|
| PoE+対応スイッチ | 一般的な法人向けAP、AP台数が少ない構成 |
| PoE++対応スイッチ | 高性能AP、複数AP、将来拡張を見込む構成 |
| マルチギガPoEスイッチ | WiFi 6E/WiFi 7 AP、有線側も高速化したい構成 |
APがPoE+対応であれば、必ずしもPoE++スイッチが必要とは限りません。一方で、複数のアクセスポイントをまとめて給電する場合や、高性能AP・将来の増設を考える場合は、PoE++対応スイッチを選ぶことで余裕を持った構成にしやすくなります。
WiFi 6/6E/WiFi 7ではマルチギガ対応も確認する
WiFi 6、WiFi 6E、WiFi 7対応アクセスポイントを導入する場合、PoE給電だけでなく、スイッチ側の通信速度も確認しておきたいポイントです。
特に、2.5Gポートを備えたアクセスポイントを使う場合は、スイッチ側も2.5Gに対応していると、APの性能を活かしやすくなります。
たとえば、NETGEAR Storeで掲載されているWBE710は、BE9400クラスのWiFi 7アクセスポイントで、2.5GポートとPoE+受電に対応しています。こうしたアクセスポイントを導入する場合は、給電だけでなく有線側の速度も確認しておくとよいでしょう。
また、より高性能なアクセスポイントではPoE++や10Gポートが関係する場合もあります。アクセスポイントの性能が上がるほど、スイッチ側もマルチギガ、PoE++、10Gアップリンクなどを含めて検討することが重要になります。
用途別|WiFi APにおすすめのPoEスイッチ構成
小規模オフィス・店舗でAPを1〜2台設置する場合
アクセスポイントを1〜2台設置する小規模な環境では、まずPoE+対応のスイッチで足りるかを確認します。
ただし、AP以外にも防犯カメラやIP電話を接続する可能性がある場合は、ポート数と給電容量に余裕を持たせておくと安心です。
- APの必要PoE規格を確認する
- APの台数を確認する
- ほかにPoE給電したい機器があるか確認する
- 将来APを増設する予定があるか確認する
複数のAPをまとめてPoE給電したい場合
オフィスのフロア、店舗、学校、宿泊施設などで複数のアクセスポイントを設置する場合は、8ポート以上のPoEスイッチを検討します。
この場合は、単にポート数が足りているだけでは不十分です。APを複数台接続しても、スイッチ全体の給電容量に余裕があるかを確認しましょう。
| 構成 | 選び方 |
|---|---|
| AP 1〜2台 | PoE+対応スイッチから検討 |
| AP 2〜3台 | PoE+対応、かつ給電容量に余裕があるモデル |
| AP 4台以上 | 8ポート以上のPoEスイッチ |
| AP+防犯カメラ | 合計消費電力とポート数を確認 |
| AP増設予定あり | PoE++や高PoEバジェットモデルも検討 |
WiFi 6E/WiFi 7 APを活かしたい場合
WiFi 6E/WiFi 7対応アクセスポイントを導入する場合は、PoE給電だけでなく、2.5G以上のマルチギガ対応も確認しましょう。
2.5Gポートを備えたアクセスポイントを1Gスイッチに接続しても利用はできますが、複数端末が同時に通信する環境では、有線側がボトルネックになる可能性があります。
| 目的 | 検討したいスイッチ |
|---|---|
| APを少数設置 | PoE+対応スイッチ、または2.5G対応PoEスイッチ |
| APを複数台設置 | 8ポート以上のPoEスイッチ |
| 高性能APや将来拡張 | PoE++対応スイッチ |
| 上位ネットワークへ高速接続 | 10G/SFP+アップリンク対応モデル |
NETGEAR Storeで確認したい主な候補
WiFiアクセスポイント向けにPoEスイッチを選ぶ場合は、必要なPoE規格、給電容量、有線側の速度に応じて、以下のような製品を確認すると選びやすくなります。
| 製品・カテゴリ | 確認ポイント | 向いている用途 |
|---|---|---|
| MS108EUP | Ultra60 PoE++対応、1G/2.5Gマルチギガ8ポート、PoEバジェット230W | WiFi APを複数台接続したい小規模〜中規模構成 |
| MS510TXUP | PoE++対応、マルチギガポート、SFP+アップリンク対応 | AP集約、上位ネットワークへの高速接続、拡張性重視の構成 |
| WBE710 | WiFi 7対応、2.5Gポート、PoE+受電対応 | WiFi 7アクセスポイント導入時の組み合わせ確認 |
| ビジネスWiFiアクセスポイント一覧 | APのPoE規格、LANポート速度、設置場所を確認 | アクセスポイント本体から選びたい場合 |
PoEスイッチ選びで失敗しやすいポイント
APのPoE規格だけ見て、総給電容量を見ていない
PoE+対応ポートがあるスイッチでも、複数台のアクセスポイントを接続すると、スイッチ全体の給電容量が足りなくなる場合があります。
アクセスポイントを複数台設置する場合は、1台あたりの必要電力だけでなく、合計消費電力とPoEスイッチ全体の給電容量を確認しましょう。
WiFiは高速でも、有線側が1Gで頭打ちになる
WiFi 6E/WiFi 7対応アクセスポイントを導入しても、接続先のスイッチが1Gまでの場合、有線側の通信速度が上限になることがあります。
すべての環境で必ず2.5G以上が必要なわけではありませんが、複数端末が同時に通信する環境や、高速インターネット回線、NAS、クラウド利用が多い環境では、マルチギガ対応スイッチを検討する価値があります。
将来のAP増設を見込んでいない
アクセスポイントは、導入後に増設されやすい機器です。会議室を追加した、店舗の死角をなくしたい、倉庫やバックヤードでもWiFiを使いたいなど、運用後にAP台数が増えることがあります。
最初に必要な台数ぴったりで選ぶよりも、ポート数・給電容量ともに少し余裕を持たせておくと、後からの増設に対応しやすくなります。
まとめ|WiFi AP用PoEスイッチは「給電」と「速度」の両方で選ぶ
WiFiアクセスポイント用のPoEスイッチを選ぶときは、以下の3点を確認しましょう。
| 確認ポイント | 内容 |
|---|---|
| PoE規格 | APがPoE+で足りるか、PoE++が必要か |
| 給電容量 | AP台数分の電力を安定して供給できるか |
| 通信速度 | APの2.5GポートやWiFi 6E/WiFi 7の性能を活かせるか |
小規模なAP設置であればPoE+対応スイッチから検討できます。複数APや高性能AP、WiFi 6E/WiFi 7環境では、PoE++対応やマルチギガ対応のスイッチを選ぶことで、より安定した無線LAN環境を構築しやすくなります。
WiFiアクセスポイントを快適に運用するには、AP本体だけでなく、給電するPoEスイッチと有線ネットワーク側の性能もあわせて確認することが大切です。